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#16 紙だらけのアセマネ事業、デザインでどう変える?【ゲスト:デザイナー高橋さん】

CTO松本(@y_matsuwitter)がホストになりLayerXの日常を伝えるPodcast『LayerX NOW!』
#16では、前回に2021年4月に入社されたsaikoさんをゲストにお迎えし、先日公開されたデザイナーからみた、眠れる「銭」をActivateする会社というブログ記事を中心に話を聴いてきました!

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松本:LayerX now!、今回で第16回ですね。LayerX now! 今回もですね、前回に引き続いてsaikoさんに来て頂いてます。 先日ブログでデザイナーから見た、眠れぬ銭をアクティベートする会社というブログを書いてもらっていたんで、その件についてデザイナーから見たMDMのお話していきたいと思っております。 よろしくお願いします!
saiko:よろしくお願いします
1:30 ブログ「デザイナーからみた、眠れる「銭」をActivateする会社」の背景
松本:最初にこのブログ、「何かブログ書いてよ!」って雑に振ったら出てきたいいアウトプットだったんですけど、これを書こうと思ったのって何かきっかけがあったんですか?
saiko:やっぱりブログの一番最後にも書いたんですけど、インターンとか中途とか新卒とか、これから成長していく時期だし採用したいよね!っていうのは社内にいるので結構聞こえてきていたんですよね。そうなったときに、私が、MDMって知らない立場だったときの印象を振り返ると、社内の雰囲気が見えないって、採用に募集かかっているけどわからんなっていうフィルターになりえるんじゃないかと思いました。そこを私がもっと身近な言葉で話す方が私も伝えやすいスタイルだったので、中身がわかる、人がわかる、みたいな内容に振り切って、すごくいいきっかけになるようなものにしようと思って書きました。
松本:確かに見えないですよね。LayerXとしてのお面を被った情報はたくさん出てくるけれど、MDM(三井物産デジタルアセットマネジメント)っなかなか情報が出ていなくて、ただ絶賛採用中ですという情報のみ上がって来ますよね。 今入って3ヶ月くらいですけど、saikoさんにとってMDMってどんな会社に見えました?
3:38 会社の雰囲気、文化
saiko:みんなそれぞれが、自分の役割を果たすためにめっちゃくちゃ頑張っているんですよね。色々あるので、その中で「あー」とか「うおー」とか言いながら、みんな頑張ってる。しかもそういう状況を、例えばいいことがあったらみんなで「うおー!」と盛り上がるし、これは踏ん張り時だってときは「ここからっす!」ってお互いに励まし合うみたいな文化がある。じめっとした梅雨の時期に感じるような気候じゃなくて、沖縄の天候みたいな、底抜けのないカラッとした明るさのある会社だなっていうのが、ここ3ヶ月くらいいる中で感じる印象ですね。
松本:まあね、社長があんだけ沖縄好きというか宮古島好きですからね。
saiko:それもいいですよね!すごく宮古島行きたいなとなります。
松本:社内でしょっちゅう上がってくる宮古島の写真(笑)いるの東京なのに。相当ハードスケジュールで入れてきますよね。一応聞いている方のためにもう一度、アセットマネジメントって何ぞやって説明をしておくと、僕らがやっている仕事って、例えば不動産とか、太陽光発電とか、そういった大きな資産を建設して運営するにあたっての、お金周りの円滑な接続を目指していくファンドを作る、それを運営する会社なんですけど、そんなすごくかっちりとした金融の業界っぽいのに、みんなうおー!とかってずっと言ってるんですよね。結構不思議ですよね。
saiko:不思議かもしれない(笑)
松本:MDMって金融事業、すごく真ん中のアセットマネジメントっていうかちっとしたところやっている割りにはですね、半数以上がエンジニアですし、出向で色んな会社から集まっているんですよ、みなさん一様に「うおー」って言っていて、なかなか気持ちのいい合弁会社だなと思いますね。いや難しいんですよ合弁会社作るって!僕も色んなところで見てきたんですけど、こんなにいいメンバーが集まる合弁の事業ってほとんど見たことなくて。ほんと奇跡ですよこんなの!これは自画自賛なところもあるかもしれないけど、ほんとにいいチームだなと思って。
saiko:そうなんだ!嬉しい。
松本:みんながちゃんと事業の成功に対してやることなんでもやろう!とみんながエネルギッシュに動いているのって結構難しいことなんですよね、完全にスタートアップですからね。ほんとにすごくいい文化の会社だなって思います。
6:44 組織内でのデザイナーの役割
松本:この中でデザイナーの役割ってどういうところにあるんですか?すごいこう、アセットマネジメントのファンド事業ってなると、普通は契約書と営業の世界になっちゃうと思うんですよね。ご存じだと思うんですけど日々メール見てると大量の契約書がエントリされていて、電話と契約書の世界なんですけど、これに対してデザイナーが今入ってきて、その役割ってどういったところにポジションを作っている感じなんですか?
saiko:私の説明の仕方がいつも表現がイメージングに近いものになっちゃってアレなんですけど、簡単に言うと、そんなメールとかそういう日々の社内のやりとりの中で、デザインっぽいんじゃないか?これデザインの力必要なんじゃないか?って思ったら、そこにまず飛び込んでいって、デザインどうですか!ってやる役割は、MDMには必要だなって感じているのがまず1個ですね。それはみなさんやはり先ほど言った通り、みんな自分の役割を果たすべく自分のやるべきことにめちゃめちゃコミットしてるというか、みなさん集中して実践している、改善されたりしているので、「ここにデザインあったらもっとよくなるんじゃないか?」という風に気持ちと考えを切り替えて、じゃあ私にお願いします、とならないことの方が多分おそらく多いんですよね。じゃあそこを待ってるんじゃなくて、私はトンビみたいな感じで、上空で見てて、なんか餌が見えたと思ったら、そこに向かって急降下していって、「デザイン必要ですか!」って声かけて、必要だったら「やります!」って言って自分から餌とって飛び去る、みたいなイメージを役割として担っているなと思っている。でさらにそれを繰り返していくことで、私自身が投資家とアセマネというそれぞれの立場の方に必要とされているもの、何がどうしたら今までを改善していけてよくできるかというのをきちんとナレッジとして持っていない部分もあるので、それを繰り返すことによってどういうものがより必要なのかを自分で把握できるし、その上で自分のアウトプットを作って社内でそれを元に議論して、同じところに認識を持たせていくことによって洗練させる役割が、最終的なMDMのデザイナーの役割じゃないかなって今思っています。
松本:今デザイナーとして「これはついばむべき餌だ!」みたいな話があったじゃないですか。具体的にはどういったところだとデザインの力が発揮されたりするみたいなのって、まあ話せる範囲も色々あるんであれですけど、最近僕が見た事例だと、僕らの運営にあたっての管理画面の刷新をしようとしているじゃないですか。リリースもしていないのに刷新かよっていうのはあるんですけど、それは多分saikoさんから見て必要だと思ったからスタートしているんだと思っていて。これっていうのはデザインで何をしようとしているんですか?
saiko:完全に、体験をよくしようとしている。裏側でお客様とか投資家の皆様とかに見れなくても、でも結局触る人が身近にいるものだから、全然使いやすくない状態でいていいなんて私は思えないし、その使いづらさって裏側から表側ににじみ出ると思うんですよね。そういうところをお互い両面ともによくしていくということ自体は、今後、というか今からですけど今もですけど、取り組んで行かなきゃいけないことだし、これからもずっとやり続けていくことだと思って、日々取り組んできて、具体的に言うのであれば、先ほどの投資家さんとアセマネの方々の業務内容を私がきちんと把握していない部分を、もっと実務レベルで把握していくことで、普段見えていないもの、気付いているけど見えていないもの、その両面をもっと粒度を細かくして見ていくっていうのを、日頃から取り組むことでそこで得たものをデザインに落とし込めるので、めちゃめちゃ嗅覚と、繰り返し触りながら把握するっていうのは取り組んでいることではありますね。もちろんそれはBOの改善、BOっていうのは裏側の管理画面(通称BO)なんですけど。
11:25 デザイナー視点で組み立てるワークフロー
松本:今の話を聞いていると、デザインの側面から見たデジタル化ってこういうことなんだなっていうのを感じましたね。例えば僕らのサービスとかデジタルの何かって、システムをこの機能にして入れようっていうのは数学的に算数的にというかエンジニアリングの中でかっちり決まっていくんですけど、これが結局体験としてつながらないと、1個のなめらかなシステムにならないよねってことが、実は社内の管理レベルでもあるよねという話だと思っていて。これをsaikoさんはデザイナーの嗅覚で体験していってなめらかにしていって。結構このブロックチェーンからSaaSやってるLayerX、「つなげる」っていうところに結構重きを置いてるんですよね、なのでそれにすごく近い話だなと思って、LayerXっぽいなと勝手に思っていました。
saiko:確かにそうですね!
松本:今実際に提案いただいているものとか見てると、確かにこの方がよい管理フローだよねって、ロジカルに考えてこうあるべきだったのになんで気づかなかったんだろうみたいなものが出てきてて。それがよかったなと思います。
saiko:慣れちゃうと気付けないこと多いですもんね。わかります。
松本:デザイナーってどうやってそれ気付きに行くんですか?その断絶みたいなところに。エンジニアって作ってると慣れちゃうんですよ。これでいけるじゃんと思って出してみて、「使いにくい!」と言われて初めて「あ、確かに!この入稿フロー確かに面倒くさかったわ!」みたいなこと、まんまこのセリフを僕最近朝会で言ったような気がするんですけど(笑)
saiko:デジャブ(笑)そうですね、それでいうとおそらく、これはまあ私がデザイナーさん全てがそうだとは言わないんですけど、エンジニアさんと考え方で近しいところはあると思います。作ってみたものをどや!って出してみたら、「いやちゃうで」って帰ってくるまで気づかなかったってことはフィードバックとしてはよくあるかなと思うんですけど、私自身は、私がやっていることは、週末にまず1回考えない…
松本:マインドフルネス!
saiko:そうそう!マインドフルネスで、意図的に考えないようにして、時間を空けて改めて見てみると、なんかわかります?久しぶりに見た人って髪型変わっているのに気付いたりするじゃないですか。
松本:あー確かに。
saiko:あんなイメージで、自分が金曜日に作っていたものが、月曜日に見てみるとあれ?ってなるんですたまに。それは本当に細かい業務の改善だったりとか、ほんとに実務レベルで必要な細かい情報の組み立てだったとしても、何かしら琴線に触れるものって出てくることがあって。それを大事にしていることもあって、気づけるようには最近なっていきているというか、私も最近やっていて感じることですね。
14:40 デザイナーとして未知の領域でキャッチアップする方法
松本:今ってすごい重い産業領域で、未知じゃないですか。そこで未知とデザインとどう向き合っているんですか?ニュースアプリとかは使う機会が豊富でわかるじゃないですか。それが今、まったく知らないそのソーシングとかよくわからない単語が沢山出てくる業界で、どうやってこうデザイナーとして戦っているのか。これなんで聞いているかというと、これからMDMに来ようと思っている方って、アセットマネジメント領域のスペシャリストですって人は、基本はいないと思っていて。でも活躍できるんだよと伝えたくて。そこってどうやってキャッチアップしていってるんだろうなと。
saiko:それでいうとやっぱり好奇心?知らないことを知ろうと思うのって、単純に聞くとものすごくワクワクすることだと私は思っていて。それをデザイナーとして見たときにどうしていくかというのはほとんど周りに見かけないものを、これから手を入れていくということ自体私にとってはやりがいしかない。なのでどうしていこうかなというときに、具体的に参考になる例はないし、あるとしても大抵そっちに引っ張られるんですよね。だから私が作り出すデザインって基本的に既知のデザインでしかない、知っているものをベースに作るものしかないけど、その未曾有の地って言ったらアレですけど、まだ開拓されていない、され尽くされていない領域は、そういうものだけでマッチしないものも確実に出てくる。だからこそさっき言ったみたいに、何も考えないとか、新しいことを得るためには、私がデザイナーとしてあることに捕らわれるよりも、色んない人からいろんなものを、ゼロベースで聞いて、それを色々作っていくってフローを繰り返しながら、よりよくしていく。イメージでいうと開墾だと思っています。
松本:開墾!?
saiko:今ある土地のとてもいい要素を、多分その土地である限りは活かしているんだが、もっと活かす術を見つけられないままそのままにされているんですね。そこにデザインは手を加えてあげることで、この土地に見合った植物とかが育ったりとか、もっと水が土地にいきわたるようになったりとか。なんかそういうものをする役割を担っているのがデザイナーだな、エンジニアもそうだと思っていて。だからそういう意味だとこの土地をいかによくしていくか、そういう役割をこれからやっていくんだっていう気持ちで今やれているし、未曾有でも全然やったことない領域でも、そういう部分があるから全然怖くないって感じですね。
17:18 今の取り組みの面白さ
松本:完全なる未知のフロンティアでやっていこうというような。なるほど。そうしたら僕らは新しい道具を作りに行く、みたいな感じになるんですね。まったく知らない世界で、これまで持ってる道具箱で戦うっていうよりも、新しい道具をさらに作っていって戦かわなきゃいけない。これって結構面白いですね。
saiko:面白いと思います!
松本:結構toCのデザインが被ってきたとは僕は全然思わないですけど、やっぱりtoCで作っていくときのデザインパターンで新しいものがガンガン売られてきた時代から、今だいぶ失速はしていると思うんです正直。それはスマートフォンって領域って、だいぶプレイヤーも固まってきて、ユーザーが求めている平均的な体験が固まってきている。でも今この重い産業領域って、よいユーザー体験っていうものをそもそも触れたことがないんですよね。いわゆる福島さんのいうところのデータベース的なSaaSというかツールというかをみんな使っていて、その間を無理やり人が転記しながら転記しながら、入力しながら入力しながら運用していっていて、よい体験に触れたことがない。だから実はよいユーザー体験が本当に開墾されて生まれてきうる面白い場で、これってデザイナーとして戦うには面白そうな領域ですね。
saiko:ほんとにおっしゃる通りだと思ってます!それを感じています私も。
松本:あと、すぐ横に使ってくれる人がいるの良いですよね 作った瞬間に「これ使いづらいね」って言われるとちょっと辛いし、「これいいね」って言われると嬉しいし。
saiko:そうですね本当に。それがあるのが楽しみの一つかもしれないですね、やりがいにもなるというか。
松本:これtoB領域にも言えるんですが、実はToCでやるよりもユーザーが近いところにいるよっていうのはいいところですよね。
saiko:そうですね。それもある意味MDMのよさかもしれないですね。
松本:このPodcastでもちょいちょい言ってるんですけど、これ重い領域とはいえ、実は面白いところがいっぱいあるんだな、みんな正解知らないからこそ、俺たちの思う最強のインターフェイス、最強のシステム作れる場所がここにあるんだなと思って、僕も全体像とか設計図描いていて楽しいと思いますし。じゃあそこに対してデザイナーっていうのは、新しい価値を作っていくお仕事と。きれいにしまっていく感じがするんですけどちょうど時間なんですよね(笑)ここから1年こんなことやっていきたいなとかあります?今ここから。
saiko:まずこの1年は、腰をすえて、このMDMの事業の成長にフルコミットしたいと思っています。多分1年で吸収しきれない専門的な知識、あとは投資家さんを介して知らなかったことを得る機会というのは確実に、この1年の中に出てくる。だからこそ今あれこれしたいなと色んなことに手をつけるんではなくて、まずはここに、1つこのMDMの事業の成長のためにフルコミットするというのをやりたいと思います。
松本:そんな人にぜひ来てもらいたいですね。
saiko:もう一緒にやりたい!
松本:これ聞いてるみなさん、MDM絶賛採用中ですんで。若干名、複数名募集しているので、ソフトウェアエンジニアを中心に、ぜひ興味を持っていただける方いたら、来ていただけると嬉しいです!というわけで第16回、saikoさんありがとうございました!
saiko:ありがとうございました!