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#29 「問われているのは感度」育休取得で明確に変化した環境への考え方【ゲスト: fukkyさん】

Transcript

挨拶
松本:第29回LayerX Now!、今回はですね、なんと福島さんに来ていただいております。このPodcastは、LayerXの開発メンバーとか組織全体をみなさんに知ってほしいというところが目的になっています。そして僕らがもうブロックチェーンじゃないよと、違うことやっているよ、SaaSとFinTechとプライバシーテックの会社なんだということを知ってもらうことがこのPodcastの目的となっております。 というわけで、今回は福島さんよろしくお願いします。
福島:よろしくお願いします。
(1:25) 福島さんの子育て
松本:今回は福島さんの、事業と関係なく、その側面から見たLayerXとかの話を聞けたらなと思っています。福島さん最近子育てほとんど一本って感じですよね。
福島:めちゃくちゃやってるね。子どもが圧倒的に可愛い。
松本:実はオフラインで福島さんと会うの久々で、育休明けてから会うのはこれが2回目くらいですよね
福島:まだちょっとね、今子育てでリモート中心にしているから。
松本:でもリモートでできるのはいいですよね。
福島:子育てして、めちゃくちゃありがたいなと思った。やっぱ人がその立場にならないと見えない視点ってあるなと。最近はもう、階段見るとむかつくみたいな(笑)
松本:駅だとエレベーター近くにないのかよって思いますよね。
福島:子ども浅草に連れていこうと思った時に、東銀座という駅の乗り換えで外に出ないと反対側に出られないという信じられないUXを体験して、。 当時肩を痛めていて持ち上げもできない状態でさまよってたら、一回外に出ないと反対のホームに行けないって、さすがに不親切だろと。でも普通に生活してたら気付かない。 会社視点だと例えばリモートワークの柔軟性とか、会社の制度自体が偏った視点で作ると偏った人にしかウケない会社になるなっていうのはすごく気を付けなきゃなと思いましたね。
松本:福島さんの会社に対する向き合い方が、子ども生まれてから優しくなりましたよね。
福島:めっちゃ言われる。ちょうど僕このタイミングなんですけど幸運にも立ち会えるように病院にいて、子ども生まれた翌日に定時のやつで大事なミーティングがあって、それで普通に病院から参加したんですけど、mosaに「fukkyyパパの顔になったね」って(笑)そんな1日で変わる?とか思いながらも。
松本:でも生まれた瞬間の子ども見たとき、初めて抱っこしたときとか、めっちゃ変わりますね。 福島さんの子育てツイートが増えたのが、結構社員にはウケてるんですよ。なんか最近すっごい福島さんのTwitterパパだわみたいな。
福島:確かに。親バカ丸出し。
(5:24) 変化した働き方
松本:親バカ丸出しなのはいいことだと思っていて。会社の取り組み方も最近働き方について書いていたり、そのへんも子育ての考え方が会社の作りにも反映されてきてますよね。
福島:極端だけどめちゃくちゃ変わったよね。もっと早くからそうしとけばよかったって反省もいっぱいあるけど、当事者にならないとわかんないんだなって。
松本:結構僕らゴリゴリの体育会系だったと思うんですよね、グノシーの頃から。ずっとこう規律は大事タイプのメンバーが結構多かったかなと思うんですけど、今気付くと福島さんが最後くらいでメンバーがみんな親になって、働き方が変わりましたよね。それによって会社が取れる戦略の幅も広がったのかなと思っています。
福島:それはすごく思いましたね。出自が学生起業だったから、人生かけてやるのが当たり前じゃんみたいな(笑)ちょっと体育会系のノリだったのが、やっぱり子どもが生まれて家庭持って、色んなフェーズの人生がある人達がいて。そういう人を受け入れられる会社になりましたね。最後の砦の私がそうなって、もう誰も止めるものがいなかった。
松本:ほんとにね、みんなにとってとても働きやすい会社になったと思います。ダイバーシティ&インクルージョンを発表して、でもあのポリシーを発表した時はまだまだ見えていない書き方でしたけど、そこから一歩進んだ感じがしますね。
福島:問われているのは感度だなって最近思っています。D&Iとかってもちろん大事。社会全体が向かっているのは、契約っていうよりは信頼関係。会社としてこういうプロダクトとビジョンがあります。プロとしてここを手伝ってほしい。その代わり会社としては、プロの人がストレスなく最大限力を発揮できるように環境とかルール作りをしますよっていう風に会社が変わってきている気がしています。 会社対社員みたいな主従関係みたいなのを前提としたルールなのか、お互い対等なプロとしてのルールなのかって時おり違和感を感じます。締め切りがあるものは多少無理してもやるとか、真のプロって成果にコミットする人が多い。けどなんで定時ってあるんだっけ?みたいな。それって信用していないことなのかな?って素朴に疑問に思うようになった。
松本:気付いちゃいましたね。それって育休中にずっと考えてたんですか?こういう働き方の在り方とか。
福島:育休中は正直考える余裕なかった(笑)新米パパとして。
松本:父親としてはド素人からのスタートですもんね。じゃあそこから戻ってきて、子どものいる状態で仕事をするようになってなんですね。
福島:育休から復帰して、最初大変だったんだよね。それでかなり意識するようになった。子育てだけとか仕事だけだったら、多分今の考えにならなかった気がする。育休から復帰して、仕事しつつ、育児がある状態でリモートワークをしてみて、すごい気付いた面がいっぱいあります。
(10:52) 変化した視点からの会社とプロダクト
松本:なかなかね、これだと少し遠くに住んで部屋数多い方がいいよねとか。結構細かい気づきありますよね。 マネジメント勉強で、最初は完璧なマニュアルが最高の生産性になるんだって時代でした。それが少しずつモチベーションの話になって、ミッション「すべての経済活動をデジタル化する」の先に一番大事なプロフェッショナリティを発揮する、機械にできない答えを出す組織にLayerXが近づいていったと感じます。
福島:作っているプロダクトがそれをうたっているのに、自分たちが古い価値観のままで働いていたらそれはよくないよね
松本:バクラク請求書があることで、どこでも経理処理ができるようになったりとか、ワークフローがあることで、どこにいても社内にいるのと同じかそれ以上に効率よく仕事ができる、そういう世界が出来上がっているのが目指す先ですからね。
福島:育休中も実はSaaS事業の責任者と結構契約書のレビューとか上がってくるんで、ワークフローどうしようか、権限を移そうかって話もあったんだけど、結局移さずに回っちゃった。
松本:びっくりした。移してないけど、めちゃくちゃ承認早いんですよね。
福島:気の利いた承認みたいなのを結構作ってくれて。契約書のレビューも、ひな形通りだったらうちでチェックしてるから、ほぼノールックでOKみたいなのと、例えばNDAとか、実は一か所変えてますみたいなのが、いかにわかりやすく通知されるか、あとはslackで見えるみたいな。 普段眺めているもので見えるのがすごくイケてるよね、バクラク申請
松本:slackを開いておけば事が済むというのがすごく楽で。実は僕バクラク申請って月1会開くかどうかなんですよ。ほとんどslackで使ってて。このユーザビリティはすごくいい。
福島:これは新時代のスタンダードって感じだよね。こうなってないのおかしいくらいの。
松本:この便利をひたすらプロダクトとして作っているのが嬉しいですよね。実はMDMの中でも使おうとしている話ありますからね。便利すぎて。
福島:子育てしながら働けるという。
(14:43) 福島さんからみたLayerX
松本:会社の見せ方も福島さん結構変えてるなと思っていて。福島さんから見てLayerXってどんな会社になりつつありますか?。
福島:一言でいうと、多様な人を受け入れられる会社になりたいなっていうのがあります。LayerXのピボット前は天才エンジニアが集まる会社みたいな印象が強かったと思います。 それでも色んなものをプロダクトを通じてデジタル化しようとすると、作り手の視点が偏ってくると作られるものが偏ってしまうところとか、売り方とか感じ方、考え方が単一なものだと、やっぱり単一の業界にしか刺さらないものになってしまうところが、LayerXやってても課題だなと思ってました。 これからさっきの社会の進化従って、多様な人の視点が入れられる組織じゃないと生き残っていかないんじゃないかと。
松本:色んな人の強みをちゃんと活かせるようにソフトウェアを作っていく、そんな発想なのかなって気がしていて。 僕ら業務プロセスを分析して、請求書処理ってところに特化してものを作ってきましたけど、全体として一貫しているテーマは、「ここに対して人が発揮すべき強みはここで、それ以外のところをカバーすることで、みんなが働きやすいし、パフォーマンスが最大化されるし、働いていて楽しい、家族と仲良く暮らせるみたいな、そんな世界観を目指しているのかなって思ってます。
福島:明確にそうですね。
(18:20) 福島さんの役割
松本:社内では福島さんってどういう役割ですか?。
福島:社内だと、あらゆることに感度高くあるべきかなと思っています。 社内のルールのゆがみとか、普通の発想だと出てこない事業展開、会社の勝ち負けだけじゃなくて意義を考えたときに、飛んでるけどこういうことやらなきゃいけないところで決断することが一番の役割かなと思ってます。あと、会社は一人で作れるものじゃないけど、会社のベースとなるみんなが持っている共通の深層意識みたいなのを率先して作るみたいな役割なのかなって思っています。
松本:文化については福島さんものすごい意識持っていますよね。LayerXの立ち上げから最初何をするか明確に決まっていないときにもバリューを作っているじゃないですか。
福島:会社ってこれ言い尽くされてるんですけど、いいときと悪いときが必ずあって。スタートアップのマネジメントっていいときマネジメントなんですよ。会社伸びてる、売上伸びてる、人が集まってる、注目も浴びてる、だから俺たちはやりがいがあるみたいな。でもそうじゃない瞬間に来た時、そのマネジメントって完全に崩壊してる。 結局最後に残るものは「俺たちは何を作りたかったの?とか、数字で決まらない部分。人の志向性によって決まる部分で最後踏ん張れるかどうかっていうのを前職ですごく体験したんですよね。 なのでまた会社をやることになった時にはそういうことを初期からちゃんとやりたいなって思っていた。なぜ頑張るの私たちは、みたいなところの統一がとれている組織って強い逆に売上伸びてる、人がどんどん集まってて盛り上がってるからいいじゃんっていうマネジメントは、実は一番レベルの低いマネジメント。
松本:楽ですからね。伸びてるから頑張ろうぜ、何が不満なの?みたいな。そういう空気は作りやすいですよね。
福島:それとこれも前職で、僕とか松本さんもいわゆるシリアルと一緒にやってたんですよね。で僕らが今度逆の立場で、シリアルとして見られるようになったことで、一番実はこう接されてほしくないっていうのは答えを聞かれること。「何すればいいですか?」って。なんでもわかるんですよね福島さん、なんでも見通してますよね松本さんは、みたいな。そんなわけないと。むしろみなさん、メンバーと同じくらいの確率で失敗するし、同じようにアホなミスをやらかすと。何が違うかっていうと、そこから頑張って粘ることだと思うんですよね。 LayerXのピボットから、そんな人いないって前提なんですけど、シリアルアントレプレナーがやってて、なんか時価総額一千億とかいきそうで、入ると美味しい思いできるんじゃないかっていう期待で入る人はいなくなっただろうなってことは良かったと思ってます。
松本:文化は大事だよねってことですよね。 僕らも失敗するっていうのを見せられたのはある種よかったかもしれないですね。唯一僕らにあるのは決め方を頑張ることっていうのは福島さんとそこから学んだみんなを見ていて思います。
福島:誇れることがあるとしたらピボットしたってことだよね、多分あのまま突き進んでいたら会社としては相当苦しかったと思う。
松本:本当はもっとこの話も聞きたいんですけど、一旦前半ここらへんにして、後半に移りたいと思います。ありがとうございました。
福島:ありがとうございました。